魚類

 荒川をまたぐ大きな橋の上に立つ。柵をつかんで川面を見つめる。荒川の深いよどみに肉体を沈めることを想像する。この橋の上から飛び降りて、最期の時は水の中。ああ、魚類でもないくせに。しかし、食卓にならぶ魚の大半は、最期の時を不慣れな空気の中でむかえるのだ。最期の時くらいは、水の中でむかえたかった。それが魚類全体の総意だそうです。申し訳ありませんでした。人類を代表して、謝罪いたします。

上田啓太

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